21世紀COEプログラム 「テラビット情報ナノエレクトロニクス」
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半導体バイオ融合集積化技術構築プロジェクト:SBI
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・SBIプロジェクト成果概要
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□電電公社研究所でアナログ回路の設計のテーマを与えられて以来,一貫してアナログに関わる集積回路の研究・開発に携わった.
□CMOSデバイスでアナログ回路を作るという先端のテーマに恵まれ,世界初の1チップの音声符号・復号器(音声をPCMデジタル信号に変換,PCMを音声に変換)を開発できた. □これを発展させて考案された微細なCMOSに適した新AD, DA変換技術MASHの研究・開発で技術と学会に貢献し,オーディオ機器等への実用化に貢献できた. □大学に異動して産学共同研究として低電圧・低雑音アナログ回路,基板雑音の解析評価の研究を実施して,これら成果と卒業生で,アナログ設計企業A-R-Tecを設立できた. □NTT時代から将来技術として,超大規模ポストデジタルLSI,神経回路網チップ,光インタコネクト,アナデジ融合回路,無線インタコネクト,3次元集積,半導体バイオ融合に挑戦してきた. 未だ道半ばだが,能力・気力が尽きつつある. |
○ 今はデジタルの時代と言われているが,アナログが何故重要なのでしょうか.
○ 我々が日常,見たり聞いたり感じたりする多くの情報はアナログです.我々が使う携帯電話やTVなどのシステムではアナログ情報を受信,センシングして,それをデジタルに変え,処理・記憶・通信して,又,人間に分かり易いアナログに戻すことが必要です. ○ 集積回路にはアナログとデジタルの両方が必要で,デジタルは計算機を使って自動設計し易いですが,アナログはそうはいきません. ○ アナログ回路は多種多様で,特性や仕様が複雑で,設計には経験や勘が必要です. アナログに研究・開発する要素が多く重要になっています. ここにアナログ回路技術を研究・開発する価値と需要,人材の育成の必要性があります. |
フィルタというのは,音でいうと低音と高音を分けるような周波数成分を弁別する機能を持ち,
昔から通信に不可欠なものです.これを作るにはコイル(L)とコンデンサー(C)を用いるのが普通ですが,大きく,重たく,特性調整するのが大変でした.
そこで,コイルを用いないでフィルタを作り,小型・軽量にしようという考えで研究・開発されたものです.現在主流になっているシリコンチップ上に形成した集積回路の前には混成集積回路(ハイブリッド)があり,この技術実現するのに適しています. 抵抗(R)とコンデンサー(C)とアンプを用いることにより,等価的にコイルの機能を実現できるという原理で動作します.RとCの値を変えると,周波数が変わるので,特性調整ができます. |
RCアクティブフィルタはR,C,オペアンプで構成されます.
セラミック基板上に形成したタンタル薄膜によるR,と窒化タンタル薄膜によるC,シリコンオペアンプチップをで作られます. 左は完成品でサイズは4cm x 4cm程度,上にある黒い■がオペアンプチップ,真ん中の2個の白い基板の裏にはCが,下の白い基板の裏に はRが形成されているいる.真ん中の基板は,C基板とR基板とオペアンプを搭載する前のメイン基板,縦長の基板はR基板で, 多数の抵抗が形成されている.その拡大写真が一番右にある.小さい基板はC基板で,3個のコンデンサーが形成されている. メイン基板には穴が空いており,これを通してRが見えるので,レーザーを使ってRの値を調整して,精度を高めます. |
周波数多重通信(FDMA:Frequency Domai Mutiple Access)とは一人の音声を約4KHzの帯域に制限して,
これを高い周波数に変換して,積み重ねて,1本でケーブルで多数の人の声を通信する方式です. これを実現するキー部品がチャネルフィルタです. 300Hz-3400Hzに音声信号のみを通し,それ以外の成分は通さないという機能を持っています. コイルとコンデンサーを用いたLCフィルタで作られましたが,これをRCアクティブフィルタで実現した試作品です. 1/4位に小型・軽量になりました. |
電話交換機で音声帯域(0.3-3.4KHz)の信号を受信する機能を持つもの. ・PB Rec (Push Buttom Signal Receiver) は電話機からの接続先のダイヤル信号を受信するもの.0-9,*,#の12の符号を2周波の組み合わせピポハで送る, ・MF Rec Multi-Frequency Receiver 交換機間の信号を受信するもの.700,900,1100,1300,1500,1700 Hzの6周波の中から,任意の2周波の組合せで表現される。 ・LCフィルタ(共振回路)で周波数を選別して受信していたが,低周波のためL,Cの値が大きく, 大きなものであった.これを混成IC化RCアクティブフィルタで実現して小型化して,交換機に導入した. |
混成IC化RCアクティブフィルタの特性を自動的に調整する機能トリミング装置. フィルタの特性(振幅と位相)を測定して,所望の特性になるように,薄膜抵抗素子をカットして抵抗値を上げて調整する.これを機能トリミングという. 混成ICを移動させるステージ,抵抗をカットするYAGレーザー,フィルタの特性を測定するネットワークアナライザー,これらを制御するコンピュータと制御ソフトウェアで構成されている. 右の写真に示すように,混成ICの抵抗パターンにははしご形の調整片を設けて,加工の高速化と切断面を減らすことにより,経時特性変化を抑えるように設計している. |
LSIのパターンを形成するための描画装置 紫外線を使って写真の原理でパターン生成していたが,パタン寸法の微細化により,光の波長程度以下になると,描画のパターンがぼやけて,精度が得にくくなる. 波長の短い電子ビームを使って描画する方法が有効である.この方法では電子ビームを生成し,ミクロン以下に収束させる. LSIの設計データに基づいて,電子ビームの位置を高精度10nmに制御する. 膨大な数のパターンの描画時間を短くするために位置を高速に制御する. このために高速,高精度なDA変換器が必要,(18-20bit,セットリング時間ナノ秒オーダー) ビームのON/OFFを高速に制御する.(ブランキング)も必要 電子ビーム描画装置を用いて,光を使って露光するためのマスクを作成する場合と,Siウェハ上にパターン形成(直接描画)する方法がある. |
・説明 |
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---NTTの登録商標--- |
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MASH:Multi-Stage Noise-Shaping 多段雑音抑圧型1ビット量子化オーバーサンプリングAD変換技術 帰還ループの安定性の問題なしに高次ノイズシェーピングを実現. 無調整のLSIで16ビット以上の精度を実現できる. |
1段目の1次ΔΣ量子化器で1ビットで量子化,その時発生する量子化雑音を2段目で1ビットで量子化, その量子化雑音を3段目で量子化,1段目のデジタル出力から,2,3段目のデジタル出・ヘを引き算することにより,量子化雑音をデジタル補正する. |
設計者:松谷康之(青山学院大学教授)松下電器と共同開発,製品名:MN86081 CMOSデバイス,3段構成, 雑音抑圧フィルタ3次 64倍オーバーサンプリング, 44.1K, 48Kサンプル/秒,デジタル出力16ビット, チップの左側(1/3)がMASH型AD変換器, 右側(2/3)がデジタルフィルタと出力回路 |
設計者:松谷康之(青山学院大学教授)松下電器と共同開発,製品名:MN6472 CMOSデバイス,3段構成,雑音抑圧フィルタ3次,64倍オーバーサンプリング, 44.1Kサンプル/秒,デジタル入力16ビット,ステレオCH チップの左側がデジタルフィルタ,右側下半分がMASH-DA変換論理回路),右側下1ビットDA変換器(PWM変調) |
左:DATデッキ SV-D9000 松下電器製, 右:ポータブルDAT SV-MD1DAT 松下電器製 |
左:高性能CDプレーヤ SL-P2000, 松下電器製
右:ポータブルCDプレーヤ SL-XPS900, 松下電器製
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MASHはD70型電子交換機の加入者回路,電話機1台に1回路ずつ用いられた. 設計者:林敏夫,内村国治,井鍋,木村忠勝,日本電気,日立製作所,沖電気,富士通との共同開発 従来,4チップで構成の電話加入者回路を2チップで実現した. AD,DA変換器はSLPチップに搭載されているが,ほとんどがデジタル回路でアナログ回路は非常に少ない. |
・説明 |
[チップ左] 2モジュラスプリスケーラ 設計者:赤澤幸雄氏
ポリシリコン活用の高速バイポーラトランジスタを使用し,1GHzのRF入力を1/63, 1/64に分周する [チップ右] CMOSシンセサイザーLSI 設計者:菊池博之氏 無線機に必要な多数チャネルの周波数を制御部からの指定により発生する [直接分周方式の特徴] 従来の周波数変換方式(Mix Down)で使われていた,同調コイルなどのLSIに向かない部品を不要にでき, 無線器の小型化,LSI化が可能になった. [実用化の実績] これらのLSIは1984年に自動車電話用にに導入された. この技術は,その後,携帯電話など無線通信の基盤技術になり,現在の携帯電話にも使われている. |
・説明 |
超大規模集積回路はマイクロプロセッサに代表されるデジタル回路でなく,
人間の脳に似たアナログデジタル融合型のメモリ機能を中心にしたアーキテクチャになることを主張している. 狙いとする特徴 ・故障しない,素子が壊れても全体の機能は損なわれない, ・動作環境の変化に強い,温度,電源,経時変化 ・テストが不要 全部の素子が動作しなくても不良チップにはならない ・学習により機能を自己形成する,設計不要, 革新的なデバイス,アルゴリズム,アーキテクチャを研究する原動力になる. |
左:積和演算を高速に行うバイポーラチップ,光通信システムの特性学習制御の研究用High-Speed Analogue Neural-Network LSI Employing Super-Selfaligned Si Bipolar Process Technology 右:確率的演算を用いたマンハッタン距離演算チップ Stochastic Computing Chip for Measurement of Manhattan Distance |
アナログ情報を時間領域(パルスの幅)で表現し,デジタル回路でアナログ情報を処理することを提案した. スイッチト電流源の出力を電荷として加算,減算することができ,多入力の加減算が高速に処理できる 電圧をパルスに変換するにはコンパレータ用いる,パルスで情報を送るので雑音に強い, アナデジ融合回路で最小距離演算チップを開発,パターン認識や,画像認識のマッチング処理に使える,人間の脳で行っている処理を模擬した脳型チップ |
パルス幅変調信号を用いたアナログデジタル融合回路によるマッチングプロセッサと、
イメージセンサとセルオートマトンによる雑音抑圧回路を搭載している。0.8μmCMOS技術を使用 |
UOEICの概念:光技術と電子回路技術の融合によりそれぞれの特徴を両立させる. ・光の特徴:情報の通信,転送が得意,例:クロック分配,バスライン ・電子回路の特徴;演算,記憶,制御が得意 光コンピュータのようにすべて光で実現しようとはしない. 林厳雄賞受賞記念講演スライド 「シリコンLSIにおける光インターコネクション技術に関する先駆的研究」 シリコンチップに光導波路と発光素子を形成、積層チップ間を光通信,可変通信機能 |
・説明 |
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Last updated 2016.1.26